STORIES

【イベントレポート】「工業デザインのリアル、ざっくばらんに聞ける夜」83Design初の交流会

普段なかなか表に出ない「ものづくりの裏側」を、直接話せる場をつくってみたかった — — 
そんな動機から、83Designは初の交流会を開催しました。

「工業デザインのリアル、ざっくばらんに聞ける夜」と題したこのイベントでは、83Designのデザイナーたちにお題を投げかけながら、普段取り組んでいるクライアントワークやプロダクト開発の舞台裏についてざっくばらんに語ってもらいました。


プロダクト開発の裏話、コストのリアルまで

会場には、これまで83Designが手がけてきたプロダクトを並べ、参加者の皆さんに完成品やプロトタイプに触れてながら、試行錯誤のプロセスや開発時のエピソードを聞いていただきました。

排泄予測支援デバイス「Dfree」のプロジェクトでは、医療・福祉分野ならではの使い心地の検証、真空成形や3Dプリントでの初期試作といった製品のデザイン開発だけでなく、チーム作り、アプリケーションのプロトタイプ制作まで、幅広く課題に取り組みました。会場では、こうした開発プロセスにおける試行錯誤や、印象的なエピソードが語られました。


次にご紹介したのが2022年から携わっているnwmシリーズのデザイン。

「工業デザインのプロセス全般を知りたい」という質問を事前にいただいていたので、プロジェクトの始まりからご紹介しました。この中でも「nwm ONE」については、実際に装着し、音の体験をしてもらいながら詳細に説明しました。中には、担当した工業デザイナーからしか聞けないようなとても専門的なディテールの説明もありました。

別のデバイスのプロジェクトでも、厳しい制約の中でやりたいことを実現させるための試行錯誤や、プロジェクト進行に直面した「想定外」への取り組みについてご紹介しました。また、携わってきたプロジェクトの期間について説明すると、参加者の方から「えー!そんな長いの!?」「そんなことまでやったの!?」といった驚きのリアクションもいただきました。

加えて参加者から「で、実際コストってどれくらいかかったの?」という鋭い質問が飛び出し、急遽「リアル」を語る場面もありました。


自分たちでつくり、売るプロダクト

83Designでは、クライアントワークに加え、実はSaaSアプリやワークショップ、自社製品の開発・販売にも取り組んでいます。その幅の広さを感じていただきたく、実物を手に取っていただきながら紹介しました。

自社製品の代表としてご紹介したのが、財布「CWシリーズ」。
素材の選定やキャッシュレス時代の「所作」への着目、縦使いを前提とした構造設計など、工業デザイナーとしてのこだわりについて詳しく解説してもらいました。

CW series

キャッシュレス決済と現金決済が共存する現代に必要とされる財布の形とはなんだろうか?? | PROJECTS |
現金決済のみのお店とキャッシュレス対応のお店が混在する現状に対応するため、ミニマムな動作で支払い用カードに簡単にアクセスでき、お札や小銭も適度に収納できるコンパクトな財布が理想だと考えた。83design.jp

CWシリーズ03,04開発エピソード


次に83Designが開発・販売しているタスク管理ツール「MOTHMOTH」をご紹介。

MOTHMOTH

MOTHMOTHは直感的な操作で誰でも使える新しいタスク管理ツール。

MOTHMOTH
MOTHMOTHは、複数のプロジェクトやタスクを1画面で直感的に把握できるタスク管理アプリ。ドラッグ&ドロップで簡単整理、今日やるべきことが明確に。個人からチームまで、驚くほどシンプルな操作で生産性を向上させます。mothmoth-task.com

「なぜ工業デザイナーがSaaSアプリをつくったの!?」という疑問に対して「既存ツールではできなかったから、自分たちが使いたいものを作った」と説明しました。自分たちが実感している問題を解決するための手段が「MOTHMOTH」誕生のきっかけでした。

使いながら課題を見つけ改善し、「仮説・検証」のプロセスを行いながら、市場への定着を目指す。それは工業デザインのプロセスと同じで、新規事業開発を自ら実践している事例としても紹介しました。


ワークショップや動画制作も

ゴールデンウィークに開催された《PLAT PICNIC LAB.2025》で実施した、3Dプリントされた虫のパーツを使って「新たな虫」をつくる子ども向けワークショップ「もしもむし」。

moshimomushi

こうしたらよくなるんじゃない?と手を動かしながら“つくる”体験を通じて、83Designが普段行っている「仮説・検証」そのものを体験してもらうという内容。ただ楽しい遊び、として設計したのではない、工業デザインならではのアプローチがあるということでご紹介しました。

PLAT UMEKITA
虫を観察して、進化させ、次の世代へ。『もしもむし』は、都市公園を舞台に行われる”継承型のNEO昆虫標本づくり”です。訪れた人には、前の参加者が創り出した虫を選び、観察し、進化の仮説を立ててもらいます。この時、各虫の特性や欲求が書かれた”虫カ…platumekita.com

PLAT UMEKITA
公園はもっと楽しい場所にできるはず。大阪の一等地にある都市公園だからこそ、できることもあるはず。そんな思いから、公園の新たな可能性を探るべく5月にPLAT UMEKITAが企画した「PLAT PICNIC …platumekita.com


そして、前段で紹介したnwm ONEの動画制作について。

なぜ動画制作も受けることになったのか、「勝手に動画を作って世に出したらそれを気に入ってもらい…逆に正式に依頼が来た」というエピソードは、参加者の印象に残ったようです。


工業デザイナーというキャリアの話

後半の質疑応答では、事前にいただいていた「どうやって依頼すればいいの?」「工場選定ってどうしてるの?」といった業務に関する質問を中心にお話しをしましたが、その場でもたくさん質問をいただきました。

中には「工業デザイナーになるには?」といったキャリアの話題も。

弊社のデザイナーたちが、それぞれの経歴や、83Designにジョインするまでの道のりをざっくばらんに語り合う場面もあり、「これから工業デザイナーの仕事はどう変わっていくのか?」といった未来の話にまで広がりました。

今回は少人数でしたが、その分、一人ひとりとじっくり対話できる、濃密で充実した時間となりました。

開催後のアンケートでは、

「とても勉強になる話が聞けた」

「ざっくばらんにゆるく語れる場という表題通り、居心地がよく、あっという間の時間だった」

「83Designの良好な関係性からも、チーム作りの面でも大変参考になった」

といった嬉しい声も。

私たちにとっても、これまでを振り返る機会になり、みなさんに伝えたいことの整理にもなる有意義な機会になりました。


今後も83Designは、進化します。

こうした場を通じて、83Designの工業デザインだけでない「よりひらかれた仕事の輪郭」や、その可能性をお伝えできればと思っています。

また機会がありましたらぜひご参加ください。